株式会社 樹 代表取締役 樋尾 重樹 株式会社 樹 代表取締役 樋尾 重樹私は、高齢者の皆様の手の皺が大好きです。
私は、高齢者の皆様が笑顔になられた際のお顔に深くはいる皺も大好きです。
なぜかと言うと・・・
その一本一本の皺が人生という年輪をあらわしているように思えて・・・
非常に尊く感じるからです。
なぜ尊く感じるかと言うと・・・
現在の豊かな日本があるのは、そんな高齢者の皆様お一人お一人の弛まない努力の賜物であり、
そんな皆様が戦後の動乱期を一生懸命に生き抜いてくれていなかったら・・・
我々自身もこの世に生を受け存在をしていないかもしれない・・・
そう思うと・・・
直接的な命の繋がりはなくとも、間接的に深い命の繋がりを感じるからです。
申し遅れましたが、私は三重県内にて通所介護事業所(デイサービス)を4施設経営しております、
株式会社樹(いつき)代表取締役の樋尾重樹(ひおしげき)と申します。
ここで少し株式会社樹の変遷をご紹介させて頂きます。
2013年4月に私の愛してやまない地元四日市の平尾町にて第一事業所を開所させて頂き、
2016年8月には伊勢事業所、2019年2月には津事業所、そしてこの度良縁を頂き、
2020年10月1日より「デイサービスセンターいつき小古曽」を開所させて頂く運びとなりました。
実のところ私は「介護」はド素人なのですが、なぜ介護事業をはじめようと思ったのかを知って頂くに為には、
私の人生を皆様にお伝えすることが一番わかりすいと思いますので、少々長くなりますがお付き合いを頂ければ幸いです。
私の苗字の「樋尾」って珍しい苗字だと思いませんか?
「樋尾」という苗字は、四日市西部の平尾町に多く存在する苗字です。
平尾町にお住まいになられている約7割の皆さんが同じ「樋尾」という苗字の為、宅急便会社さん泣かせの地域なのです。
そして、現在実家に残っている家系図によると私は23代目にあたります。
それだけを聴くと・・・
「さぞかし恵まれた環境で育ったのだろうなぁ~」って皆様は思われるでしょう。
確かに物質的には恵まれていたかもしれませんが、今思うと精神的には貧困であったように思います。
幼少期には結構つらいことがたくさんありました。
例えば・・・
ちょうどバブル時代に親父が超高級車を買ったことが原因と私の至らない部分、生意気な部分もあったと思いますが、
「いじめ」にあいました。
具体的に言うと徹底的な「無視」です。
親も気付いてくれない・・・
親にも気軽に相談できる環境でもない・・・
先生も見て見ぬふり・・・
友達だと思っていた人たちも助けてくれない・・・
そんな地獄のような日々が続き・・・
結果、私は誰も信用しない子どもになってしまいました・・・
そんな幼少期の私の一番の癒しは、近所のおじいちゃんやおばあちゃんの家に毎日遊びにいくことでした。
しかも、月曜日には〇〇おじいちゃんの家、火曜日は〇〇おばあちゃんの家等、
事前にスケジュールを決めて遊びに行っていました。
どのおじいちゃんやおばあちゃんの家に行ってもいつも快く迎え入れてくれて、
手作りの「あられ」や「かりんとう」等を食べながら、戦時中の苦労話や「人」としての在り方、
人生を楽しむ秘訣やおばあちゃんの知恵袋的なお話等をいつも楽しく聴かせてくれました。
持論ですが、人にはそれぞれの「使命」があると私は考えています。
「使命」とは「命」を「使う」と書きます。
今まで約30社の企業の立ち上げに関わり、代表取締役・代表或いは役員等を担って参りましたが、
たくさんの企業を経営することが、はたして私の「使命」なのだろうか?
そんなことを30代前半の頃よく考えるようになっていました。
では、なぜそんな私が「介護事業」を行うことが自身の「使命」に決めたかと申しますと、
私の経営する会社には必ず企業理念が存在し、私を含め社員共々非常に重んじてくれています。
ですから、私自身企業理念を創り上げる際には膨大な時間を掛けますし、
「0」から「1」或いは「無」から「有」を創出するような並々ならぬ熟考を経て
ようやく完成するのが企業理念です。
ちょうど私が35歳の時にふと自身が経営する会社の企業理念をすべて印刷し、
畳の上に並べてみたことがあります。
そして一言一句ゆっくりと舐めまわすようにすべての会社の企業理念を読み返すと・・・
驚くべきことに気付かされました!
先程も申し上げたように私が経営する会社は、企業理念を非常に重んじています。
しかし、自身で考えに考え抜いて創りあげたつもりの企業理念は、
実はどれもこれも幼少期に近所のおじいちゃんやおばあちゃんの家に遊びに行っていた際に
教えて貰ったことの言葉の引用或いは文字変換に過ぎないという事実に気付かされました。
その時初めて思ったのは、私の努力や運なんかで今の地位を築いたのではなく、
私の「人としての成り」や「企業経営者」としての礎は、
幼少期に色々なことを優しく手ほどきしながら教えてくれた高齢者の皆様ということがわかり、
感謝の気持ちでいっぱいになったと同時にそんなことも今まで理解できていなかった自分に憤りさえ感じました。
その後、私が命を使ってでもやらなければならない「使命」とは、
自身を育んでくれたこの三重県と高齢者の皆様への恩返しだと決意したしだいであります。
そして、そんな想いのもと起業したのが株式会社樹であり、己の「使命」を果たすことを誓う意味も踏まえ、
自身の名前の「重樹」の「樹」を会社名とさせて頂きました。
我々株式会社樹職員一同が目指す「介護」とは、
ご利用者様お一人おひとりの人生背景を深く知ると共に「人」としての尊厳を大切にし、
『ご利用者の皆さまの最高の笑顔を毎日導き出す!』ことです。
しかしながら、私も含め職員達もまだまだ若輩者の身であります。
是非とも皆様におかれましては、この「いつき」と言う小さな苗木が大樹へと成長できるよう、
多種多様な観点よりご指導ご鞭撻を頂ければ幸いです。
どうぞ今後とも宜しくお願い致します!
株式会社 樹 代表取締役 樋尾 重樹